本要約

【5分要約】Vol.22_選択の科学

こんにちは、GOMIE(ゴミー)です。
 
今回取り上げる本は、盲目の女性教授シーナ・アイエンガーの著書『選択の科学』です。服装・結婚相手とあらゆるものを両親が決める宗教的な世界観の中で育った彼女が、「選択」が人生に与える影響について論じた1冊です。特に大事な3つのポイントに絞って、今回も5分で読めるように要約していきます。

 

著者情報

 シーナ・アイエンガー
(コロンビア大学教授)


・1969年トロント生まれ。両親はインドのデリーからの移民でシーク教徒。1972年にアメリカに移住。3歳の時に眼の疾患と診断され、高校生で全盲になる。
・家庭ではシーク教徒の厳格なコミュニティが反映され、両親が着るものから結婚相手まですべて慣習で決められた。
・アメリカの公立学校で「選択」こそアメリカの力であることを繰り返し教えられ、後に大学の研究テーマとし社会心理学の博士号を取得。現在、コロンビア大学ビジネススクール教授。

 

 

あなただけの選択ではない

1つ目のポイントは、その選択は「あなただけのものではない」という点です。
 
ちょっと何言っているか分からないと思うので説明していきますが、「選択」と聞くと多くの人が「自由」を思い浮かべるでしょう。昼食にハンバーガーを選んでもいいし、ラーメンを選んでもいいというのは、まさに自由そのものです。
 

ところが「選択」できることが、必ずしも「自由」を意味する訳ではありません。
 
なぜなら、選択肢のバックグラウンドが選択を制限したり、特定の選択に誘導したりするためです。自分で選択したと思うものでも、親、兄弟、学校、会社、国や民族など、人間は常に環境から影響を受けて選択しています。
 
その一例としては、「吊り橋効果」が有名です。吊り橋のように恐怖を感じるような場所で異性とコミュニケーションを取ると、相手に好感を抱きやすくなるというものですね。恐怖や不安を覚える環境では心拍数が上がりますが、この反応が恋をしている時に近いため、好きになってしまったという錯覚を引き起こすのです。
 

つまり、誰を好きになるかという「選択」が環境から影響を受けてしまった例だと言えます。このように人間の選択は常に何らかの影響を受け続けており、完全な自由意志による選択は存在しません。
 
ただし、自由意志による選択でないから無意味だと考えるのは間違いです。重要なのは自分の選択が周りから影響を受けていると自覚すること。
 
良い影響があれば悪い影響もあります。例えば、尊敬する先輩が実践する習慣を取り入れようとするなら良い影響、一方で友人の影響でタバコを吸い始めるというのはあまり良い影響ではありません。自分の選択が何から影響を受けたのかを自覚できれば、悪い影響から極力距離を置くことができるようになるのです。
 
 

「選択肢は多い方が良い」は間違い

2つ目のポイントは「選択肢は多い方が良い」という幻想です。選択肢が多いことの一つ決定的なデメリットが、選択肢を増やすことによるコストについて注意を払わないという点です。
 
就職活動の例を考えてみます。就活生のAさんは希望する企業が1社あります。ところが、この会社にもし受からなかったら…と不安になり、同業である他2社も候補に入れようとします。すると、当然この2社の企業分析もしなければなりませんので、選択肢を増やしたことで企業分析に費やす労力(コスト)が増えてしまいました。
 
さらにAさんの不安は止まりません。3社全部が不合格になったらどうしようと考えて、関連企業まで候補に入れようとします。もちろん、その分だけ必要な労力は増えていくでしょう。
 
「だから選択肢を増やしてはいけない」と極論を言うつもりはありません。使えるリソースには限りがあるため、選択肢が増えることによるコストと、選択肢が増えることで得られるメリットを比較することが大事だということです。選択肢を増やしすぎれば重要な選択肢に使えるリソースが削られて、失敗してしまうリスクも高まると頭に入れておきましょう。
 

また、選択肢を増やすことには、もう一つ「選択肢が多すぎて選べなくなる」という大きなデメリットがあります。選択の科学を一躍有名にした実験に、ジャムの試食の話があります。
 
ジャムを試食した顧客が、実際に購入するかどうかを調べた実験です。1回目は試食用に24種類のジャムを用意し、2回目は6種類のみにします。
 
実験の結果、24種類の時には客の60%が試食したのに対し、6種類の時には40%しか試食コーナーに訪れませんでした。選択肢が多い方が有利そうですね。
 
ところが24種類の場合、試食した顧客が実際にジャムを購入した割合はわずか3%、一方6種類の場合は試食した顧客の30%が購入しました。つまり、24種類の時は顧客全体の1.8%、6種類の時は12%がジャムを購入したことになります。
 

この実験から分かるのは、選択肢の多さは人を喜ばせはするものの、実際の選択からは遠ざけているということです。人間は選択肢が多すぎると、本当に望ましい選択をするのが難しくなる生き物なのです。
 
その理由は、何かを選択するってことはそれ以外の選択肢を捨てることだからです。選択肢が多いということは、一つを選んだ際に失われる数も多くなりますよね。
 
つまり、不要な選択肢は最初から考えないという習慣を身に付けることが大事だということです。
 
 

選択を検証する

人は周りからの影響で、望ましくない選択をしてしまうことがあります。しかし、人は誰にも影響されず完全に自由な選択をすることはできません。ただ、なるべく影響を小さくすることはできます。
 
そのために必要なのが、「自分の選択を検証すること」です。
 
ある選択をした際、その選択が何から影響を受けたのか、その結果はどのようなものだったのか、きちんと振り返ることで評価できるようになります。このように自分なりに受けた影響を検証できれば、より良い選択のために必要なものが見えてきます。
 

これには特別な知識や技術は必要なく、単純に習慣の問題です。自分の選択について記録をつけたり、日記を書いたりすることで、後から自分の選択を見つめ直す機会を作ることができます。
 
すぐに変化が現れるものではありませんが、少しずつ良い選択に近くことができる手段です。
 
 

最後に

人生には数え切れないほど多くの選択が待ち受けています。その一つずつにおける負担(コスト)はそれほど大きなものではないかもしれませんが、それが何千・何万と積み重なることで、与える影響は決して無視できるものではありません。だからこそ、自分の選択の方法について真剣に考えることは、幸せな人生を送れるかどうかを分けるほど重要なのです。
 
本書には、今回ご説明した内容以外にも「選択」が人に与える影響について詳しく論じられており、いかにして選択という行為と向き合うべきかを考えるきっかけを与えてくれる1冊です。この記事を読んで少しでも興味を持って頂けた方がいれば、実際に読んで人生のレベルアップに活かしてみてはいかがでしょうか。

 
 
今回は以上になります。
最後までお読み頂きありがとうございました。今後も仕事や人生に役立つ情報をどんどんアップしていきますので、覗きにきてください。
 
ではまた!